Claudville(Virginia)という田舎町で、ホワイトスペースを使ったブロードバンド・アクセスが動き出した。FCCが初めて具体的な事例として認めている。
断片的なニュースをつなぎ合わせると、たぶん以下のような構成のようだ。
1)機器はDellとMSの協同開発品もちろん、干渉防止機能(anti-interference mechanisms)付き。
2)建設協力はSpectrum Bridge社
3)建設資金はTDF Foundation
こうして見ると、やっぱりホワイトスペースは、電波密度が低い米国の田舎しか使えないんだろうか。
たしか?民主党の公約にも出てきたホワイトスペースの活用だが、さてさて、これからの道のりはながそうだ。
関連記事:Rethink (http://tinyurl.com/yho9wuj)
Spectrum Bridge社ホームページ(http://tinyurl.com/yhg7ole)
小池良次(www.ryojikoike.com)
ps:どなたか日本のメーカーでホワイトスペース機器を開発しているところがあったら教えてください。
なかでも、Verizon Comuncaitons(VZC)社のRichard Lynch氏(EVP、Chief Technology Office、写真)が基調講演は面白かったです。彼の興味深い発言を列記します。
* 昔、電力業界が生まれたとき、電気は巨大なイノベーションであるとともに、大きなリスクでもあった。FTTHを始めたとき、投資家やメディアは大きなリスクをVZCは選択したと批判した。しかし、5年たった今、誰も私たちの選択を間違っていたとは言わない。
* 今やFiOSはVZCに取って成長の原動力である。/FiOSプロジェクトへの着手は、MySpace(2003年頃登場)やYouTube(2005年頃登場)よりも早かった。
* 今後のブロードバンドを考えるとDSLでは間に合わない。光ファイバーは将来大きな成長が見込めるインフラだ。
* FiOSの敷設は計画通り。今後の課題は僻地・過疎地整備となってゆくだろう。
* 現在、新規加入者は急増している。4年でCATV業界で6位の地位に来た。
* 過去四年の教訓
①Change:
CATV業界に競争を持ち込み、古い体質を変えた。
②Technology:
新技術は時として混乱を招く。しかし、顧客の満足こそ重要であり、そこに注力してゆけば打開できる。
③Operation:
フランチャイズ問題や技術者のトレーニングなどFTTH事業は多くの課題があった。この大きな変化を乗り越えることは大変な苦労がともなう。
④Monumental change:
伝統的なCATVとの決別を実現した。それはIPベースの放送時代だ。現在、MUD(集合住宅・商業ビルなど)という大きな課題にぶつかっている。MUDはひとつひとつが違う問題で、個別に対応する必要があり大変だ。
⑤Fiber:
光ファイバーはユーザーから求められている。FTTHのビジョンは大衆に受け入れられた。
* 今後もVZCは先進的なサービス開発を進めるので、ベンダーの協力は不可欠だ。
こうして取材メモを見直すと、日本の光IP放送は米国のIPTVトリプルプレーに比べると付加価値が少ないこと、地上波放送との差別化ができていないことを実感しますね。VerizonFiOS TVがウィジェットやSNS導入などに積極的な姿勢をまねしたいものです。つまり、ビジネスモデルの革新性が見えない点で問題ですね。
小池 良次(www.ryojikoike.com)
色々と話題の多かったIDFも昨日で終了した。僕にとって、もっとも興味深かったのはMoblin+Atomを使ったスマート・フォン戦略だった。今回の会議では、綿密な参入ストーリーが姿をあらわした。
1)PC分野からの参入:
電話ができるハンドヘルドPC(手のひら型、MID)、パームトップ・ゲーム機というアプローチ
2)モバイル・チップの最適化:
省電力、各種スピードアップ機能を搭載したモバイル端末に最適化したチップの開発。特にMoorestownおよびMedfieldが動き出す2010年以降は楽しみ。SoC(System on Chip)時代の到来を実感。
3)ウィンドズ・モバイルとの決別:
Moblinはv2ですっきりとしたUIを発表。Atomの先端的なハード機能を十分に活用できるOSづくり。オープン・ソース・モデルの
4)最適なアプリケーション:
今回のIDFでインテルはAdobeとの提携を強化の姿勢をしめしている。Moblin+Atomの機能を十分に引き出すためには、アプリケーションでも最適化が必要。今後は、アプリケーション分野を強化するだろう。
写真は携帯戦略を解説するShreekant Thakkar氏(Intel Fellow)
<<まとめ>>
iPhoneの強みはいろいろあるが、そのひとつはOSと一体化したハードウェアの作り込みにある。Moblin+Atom戦略は、その辺をよく研究している。最先端チップでハイエンド・スマートフォンを開発し基本性能(高速で長時間利用できる)で差別化を狙っている。
数年後、iPhoneと直接対決をしているのは、Android端末ではなく、Moblin端末かもしれない。
小池良次(www.ryojikoike.com)
ここ2日ほど、Open Source World会議を取材してきました。昨年までLinux Worldと呼ばれていたもので、今年はNGDC(Next Generation Data Center)会議とCloudWorld会議が併設されています。不況ですね。3つの会議を併せて開催ですから。
以下、クラウド系で気になったことを羅列してみます。(矢印以下は僕の感想)
- 初日の基調講演ではDell社が登場。Dell Hybrid Cloud Connectionの紹介をしました。当面はStorage系のサービスに注力。クラウドは同社のようなハード・メーカーにとって厳しい逆風かもしれません。なにせサーバーがデータセンターに集約されるのですから。いよいよDellもパブリック・クラウドに進出です。
- シスコのJames Urquhart氏は深い洞察を披露:
- クラウドでは「当面、Data Center Boundaryへの技術集約が進む」 (Security、企業コンプライアンスなどに対応するため)→ ナルホドです。
- 「プライベート・クラウドの定義を考え直しても良いだろう。つまりPrivate CloudはInternal Cloud(or Traditional Hosting)とExternal Cloudを管理するシステム(群)と考えるべきかもしれない」→ 確かに大企業でなければ、社内に大きなITリソース・プールを抱えるクラウド・インフラを構築するのは無駄だろう。社内システム(仮想化されているかどうかは別にして)とパブリック・クラウドを有効活用するための管理モデルあるいはアーキテクチャーとプライベート・クラウドを見ると納得が行く。
- talend(DW/Data Integration developer)、VERTICA(Data Warehouse Professional)、Jaspersoft(BI Software)、RightScale(PaaS)のクラウド・ベンダー4社がAWS EC2上でBI/ Data Warehouseを構築したケーススタディーを披露。→ これからは、こうしたアドホックで規模の比較的大きなアプリケーションを提供するようになるのでしょうね。システムインテグレータにとって、楽な世界になるのか?その逆か?
- Sun MicrosystemsのLew Tucker氏(CTO, Cloud Computing、写真)曰く: 企業、IT部門が一種のサービスプロバイダー化 することになる。各IT部門は、個別セットアップやハードの構築メンテナンスから解放される。しかし、ITシステムは各社各様。そのセットアップの違いをうまく吸収できるかどうかは、これからの課題だろう。 → ナルホド、深いです。
- DMTF(Distributed Management Task Force) のWinston Bumpus氏(President)が仮想化システム管理スタンダード(VMAN、Virtualization Management)などについてプレゼンテーション。 → すごく役立つ情報。詳しくはhttp://www.dmtf.org/vman (英文)をどうぞ。
- クラウド・コンピューティングにおけるネットワーク技術では、
- Sun MicrosystemsのMikael Lofstrand氏(Chief Technologist, Networking)が、同社のネットワークの自動化システム「POD & SDNA(Service Delivery Network Architecture)」について解説。 → SunのIaaSビジネスにおけるネットワーク部分の将来像がイメージできた。
- Brocade社のGary Hemminger氏(Director, Product Management, ADC Products)は、ADC関連のプレゼンテーションをおこなう。 → 以前聞いた内容とほぼ同じ。アプリケーション・ファイヤーウォールとアプリケーション・スイッチ、ADCの棲み分けがますます不透明になってきた。様々な機能が重複し、各機器(ファイヤーウォール、スイッチ、ロードバランサー)の切り分けがよくわからなくなってきた。
全体として....
クラウドの基礎的な部分がわかっていない講師が、参加者から反論を受ける場面もあった。一方、ナルホドね~と思わせる深い洞察を披露するスピーカーもいる。講師も参加者もシリコンバレー人がおおい。つまり、シリコンバレー内で格差ができるほど...すごいスピードでクラウド開発を競っていて、知っている人と知らない人の認識や知識差が広がっている。ほんとに、ここの技術革新スピードは早い。
小池良次(www.ryojikoike.com)
先日(7月29日)にインテルの「Mid-Summer Technology Summit」を覗いてきました。以下、ちょっと目を引いたことについてまとめてみます。
冒頭でSean Maloney上席副社長(写真)がIntel社の全体戦略を解説した。主事業であるパソコン・サーバ向けチップ開発、周辺事業、新事業開発の3つに分かれる。周辺事業は「MID(Mobile Internet Device)とスマート携帯」、「Embedded(組込系)」、「CE(家電)端末」が対象となっている。新規事業は「デジタル・ディバイド」、「WiMAX」、「教育」、「エネルギー・環境」、「サービス」、「健康医療」分野を狙っている。
過去2年ほど、Intel社は健康医療分野への参入をはかっている。今回は初めてFDAの承認を受けた「Health Care Management Suite」および関連機器の紹介を行った。今後は、孤独に悩む老人向けのソーシャル・ネットワーク・サービスなどにも力をいれてゆく。
Intel Capital社(Intel社のベンチャーキャピタル)は、Cleantech分野への投資を追加。今回は、Intel Open Energy Initiativeを設立。CPower社、Powervation社、Convey Computer社、Grid Net社、iControl社などに10Mドルの投資を発表した。
今回のサミットは、9月に開催されるIDF(インテル開発者会議)の予行演習的な意味合いを持つが、興味深い話が多かった。
小池良次(www.ryojikoike.com)
いよいよワシントンの時計が逆に回り始めた。
米WSJ紙(7月6日付け)によれば、大手通信事業者が優越的な地位を不当に利用してビジネスを展開している可能性があるとして、米司法省(Department of Justice)が予備調査を開始した。もちろん、大手通信事業者とはAT&TとVerizon Communicationsのことだ。
端末メーカーとキャリアが結ぶ独占販売契約や携帯ネットワークのサービス規制などについて検討しているという。前者はAT&Tとアップルが結んでいるiPhoneの独占販売契約をさしているし、後者は携帯データサービスを使ったVoIPサービスなどの禁止をさしていると思われる。
ブッシュ共和党政権の8年間、米国の通信業界はAT&TとVerizonによる寡占体制が進んだ。両社は次々と大手電話会社を買収し巨大化した。また、寡占化の過程で長距離電話会社や幹線網事業者が次々の両社の傘下に収まった。ここ数年は地方の携帯電話会社を両社が争って買収している。両社にとって、ブッシュ共和党政権は天国の日々だった。
そして今年、オバマ民主党政権が成立した。大手電話会社にとって冬の時代が訪れたわけだ。
新政権は独占禁止法の厳格な運用を進めるとして、大企業のビジネス慣行に目を光らせ始めている。同じ司法省でも政権が変わり、省のトップが入れ替わると行政の方向はまったく逆に動き始める。時計が左回りに回るように、これから1~2年はすべてのルールが逆転する。
皮肉なことに、オバマ民主党政権を支援してきたグーグルにも、司法省の厳しい目が向けられている。グーグルは、書籍の電子化を狙うブック検索プロジェクトで全米作家協会・全米出版協会と先頃和解を勝ち取った。絶版になった本をどんどんスキャンし、再流通させようという狙いだが、著作権を無視しているとして裁判が続けられていた。グーグルと著作権団体は和解したが、それを司法省や市民団体はグーグルが「電子書籍の独占支配を狙っている」と警戒している。
通信事業者にせよ、グーグルにせよ、米司法省は予備調査を始めた段階で、本格的に独禁法捜査に乗り出すかどうかは決まっていない。とはいえ「調査を始めた」と言う内部情報がWSJのような経済紙に載ること自体、司法省の発する警告と言えるだろう。
ワシントンの時計は、逆回りの速度を速めようとしている。
小池良次(www.ryojikoike.com)
昨日取材にいった「Structure09」会議の様子を簡単にまとめます。
主催はGIGAOMと言うメディアで、今回はクラウドにテーマを絞っての開催でした。
<スケーラビリティー>
クラウド・コンピューティングの大きな課題はスケーラビリティー。それを支えるのがDHTやBigTableといった分散データ・ストレージ技術。今回の会議では、最初にこの分野のパネルディスカッションがあって、面白かった。技術者の多くは、DHT(たとえばDynamoとか)は改善の余地が多いとの意見。すべてにフィットする解決策がなく、色々と試行錯誤しているのが興味深い。
<SaaS>
ウェブ・アプリケーションはいまや技術よりも、マネタイズ・モデルが重要なようだ。どこまでユーザー単価を落とせるか、それをどうやって販売するか、大規模化にどこまで対応するかなどが大きな課題。
<大手が参入をいそぐ>
今回はSun Microsystems、Cisco Systems、AMDなどがワークショップを開催していた。これらは自社製品のPRと言うより、一般的な話。大手はクラウド戦略で出遅れているので、なんとか追いつきたいと言う姿勢がにじんでいる。
<お疲れのマーク・ベニオフ会長>
アマゾン、SAP、Sun、Facebookなど色々なエグゼクティブが姿を見せた。久しぶりにSalesforce.com社のマーク・ベニオフ会長の話も聴けた。基調講演ではなく対談に予定が変更されたこと、顔に汗をかいていたこと、話がよどんでいたことなどからたぶん、風邪を引いて高熱がある様子。マイクロソフトのクラウド・プラットフォーム「Azure」を「Zune」と呼び間違える(内容は間違っていないが)など、波乱の話っぷりだった。お大事に。
<クラウドと通信網>
通信ワッチャーの僕として一番面白かったのは「Better Broadband: Enabling the Cloud Era」というセッション。Aspera SoftのMichelle Munsonさん(Pres.、美人&聡明)が、IPプロトコルの限界を鋭く指摘したのには同感。僕も以前から感じていたことを、すっぱり話してくれた。
Juniper社のDavid Yen氏(EVP)は「データフローと言っても、クラウドには4種類(機器内、データセンター内、データセンター間、データセンターとユーザー間)がある。それぞれがすべて最適化しなければ、スピードは上がらない」と相変わらず切れのよい意見を並べてくれる。そうなんだよね。みんな、この辺をごちゃまぜにしている。
ただ、Contetns Base Distribution(←アプリケーションなどをして配信を最適化する技術)の可能性については、みなあまり熱心でなかった。まだまだ、商売になるレベルではないからだろう。
小池良次(www.ryojikoike.com)
今日からJavaOneが始まりました。
(ちなみに、昨日のCommunityOneはJavaOneのプレショーで、サンマイクロのプライベート会議)
初日のポイントは3つ:
1)Java Storeを発表。
これはAppleアプリケーション・ストアーのジャバ版です。今日からベータ版を北米市場で公開します。今後、課金システムやバージョン管理機能などを整備して、世界展開をするそうです。(日本にはいつくるでしょうか?)ジャバ開発者とユーザーを直接結ぶ「ディストリビューション・チャンネル」を狙う面白い取り組みです。
2)JavaFXの開発状況を紹介。
これは同社のビデオ・オーディオ制作・配信ツール。たしか3月ぐらいに、すでにちょっと紹介されていますね。今回は年末までには本格投入を約束しました。先行するAdobeを追うわけですが、どこまで善戦できるか興味深い。
3)オラクルに買収されたサンの行方
朝の基調講演最後は、サンのスコット・マクニーリ会長とオラクルのラリー・エリソン会長が登場しました。エリソン会長は今後も、ジャバ・コミュニティーへの支援を約束しました。実は、サンがオラクルに買収されたので、ジャバ・コミュニティーは今後の支援体制に懸念を持つとともに、サン・マイクロの今後を憂えています。両会長は、今後も大きな変化はないと繰り返えしました。とはいえ、サンの行方は不透明です。
(詳しくは日経ウェブのIT欄に今日あたり記事があがるので見てください)
そして、またひとつ感動的な場面に出会いました。
基調講演を終えてスコット・マクニーリ会長が壇上から降りようとすると、集まった数千人(←ちょっと大げさ)のジャバ開発者が総立ちになって、彼に拍手を送ったのです。マクニーリ氏が両手を挙げて、やめるような仕草をするまで、まさに延々と。
そう。買収されたのでマクニーリ会長は、これでサンの経営実権を失います。つまり、オープン・ソースを支え、ジャバを発展させてきたマクニーリ&サンマイクロのコンビは、今回を契機に消えてゆくことになるでしょう。観衆はそれを知っているのです。
「長い間、本当にご苦労様。お疲れ様でした」
そんな思いを込めて、ジャバ開発者の皆さんは総立ちになって、熱い拍手で彼を見送ったのです。ぼくは、こんなシリコンバレーの暖かさに、思わず胸が熱くなってしまいました。へたな写真で恐縮ですが、中央で背中を向けて両手を広げているのが、マクニーリ会長です。実に感動的でした。
もちろん、これが「彼とのお別れではない」のですが、シリコンバレーにひとつの時代を築いた偉人として、私も心から敬意を表したいと思います。
小池良次(www.ryojikoike.com)
JavaOneの前日にあたる今日、CommunityOne(サンマイクロのプライベートショー)が開催された。基調講演では、3月に発表された「Sun Open Cloud Platform」のデモがあった。
写真は同サービスを紹介するLew Tucker氏(Sun Cloud CTO)
EC2もそうだが、現在パブリック・クラウドはアプリケーション開発と試験確認用が適切な用途で、本格的な企業システムの運用レベルには達していない。 Amazon Web Services社のEC2がリードしているが、競争は始まったばかり。サンマイクロはOpen Cloud Platformで、EC2のキャッチアップを狙っている。ちなみに、中堅データセンター事業者Rackspaceなども、EC2を追っている。
今日は、Open Cloud Platformのなかでも、仮想ストレジ「Sun Cloud Storage Service」のパートナー数社がデモをおこなった。つまり、サンマイクロも最初はアマゾンのS3にあたるサービスから参入する。
EC2との差別化戦略は、いくつかあるがOpen Cloud Platformの「Hosted Private Cloud」部分が興味深い。これはSOX法などに対応を狙うデザインで、長年、サンマイクロが企業市場でビジネスを展開してきたノウハウが生きている。
成功の鍵はJavaコミュニティーがどれだけ、Open Cloud Platformを支援するかだろう。既に、多くのJava開発者はEC2を利用しているが、それを取り返すことに成功しなければならない。
なお、プライベート・クラウド向けのコンサルティング・サービスにもサンマイクロは注力してゆく。
もちろん、オラクルがサンマイクロを買収したので、サンマイクロのクラウド戦略は変更がでるだろうが、今日現在のところでは、その片鱗は見えなかった。
小池良次(www.ryojikoike.com)
グーグルは開発者会議2日目にGoogle Waveを紹介した。
どう説明して良いかわからないほど、衝撃的なアプリケーションと言える。細かい機能などは基調講演のビデオ(http://wave.google.com/、英語版のみ)がアップされているので、ぜひごらん頂きたい。
Google Waveは一見、最近流行のUC(Unified Communication)ツールのように見える。電子メールとチャット、写真共有、ウィキ、マッシュアップスなどの機能を統合しているからだ。
では、IBMのLotusなど、代表的なUC商品と同じかと問われれば、「違う」と答えざるを得ない。従来のUCとはまったく違うアプリケーションに仕上がっている。たぶん、これまで各社が進めていたUC開発競争を一変させることになるだろう。俗に言われるゲーム・チェンジャー的な製品だ。
抽象的な説明で実に恐縮なのだが──
従来のPPTは、紙の上で処理していた物をコンピュータに代替させることで飛躍的に生産性を高めた。インターネットの登場で、これに電子メールやチャット、ネット電話が加わった。しかし、それらはインターネットという世界にありながら、サービスとして独立したものだった。一方、Google Waveはネットに関係する様々なサービス群(検索、メール、チャット、ビデオ、写真共有、ビデオ配信などなど)をひとつにまとめて、効率よく利用するためのプラットフォームであり、ネット活用のための生産性ツールと言えるだろう。
インターネットの底力、新たな可能性を強く示唆するアプリケーションといえる。
今日紹介されたGoogle Waveにはあまりに多くの可能性が秘められている。たぶん、ワープロや表計算がパソコンを普及させたように、Google WaveのようなPPTがネット端末(ネットブックやモバイル・パソコンなど)を普及させるだろう。企業アプリケーションのあり方も変えるかもしれない。アップルのiPhoneが携帯電話における進化の方向を変えたように、Google WaveはUCの進化方向を変えることになるだろう。
そこにはアップルのハイパーカードが当時アプリケーション業界に与えたようなショックを感じる。ハイパーカードやiPhoneのようなエポック的な存在になるかもしれない。
小池良次(www.ryojikoike.com)